歩道橋恐怖症のクラスメート
ふと中学の頃の卒業アルバムをユーミンのように眺めていたら、中学生の頃に歩道橋恐怖症だったクラスメートのことを思い出した。歩道橋恐怖症というと『高所恐怖症じゃないの?』と言われるのだけど、高いのが怖いのもあるらしいけど、歩道橋自体はそれほど高くない(高所恐怖症のある人からしたら高いのかもしれないけど)。
そのクラスメートは、歩道橋の高さよりも揺れが怖いと言い、歩道橋の上で座り込んでしまうくらいの恐怖症を持っていた。中学校自体は正門と裏門があり、家のある方向の出口を使っていい事になっていたので、そのクラスメートは必ず歩道橋のない側の出口を使っていた。
たまに歩道橋を使えるか試してみるらしく、そうすると決まって歩道橋の上でしゃがみこんでしまい、牛歩のような形でなんとか渡りきるというのが彼の行動パターンになっていた。今思うと、その恐怖を繰り返し行うことで脳にイメージがインプットされて、歩道橋=恐怖でしゃがみこむ、という彼の中の方程式が無意識にできてしまったのではないかと思う。
恐怖症の改善に関しては、無理をして力技で克服しようとすると、このような結果になってしまう場合もあるんじゃないかなって心配になった。そんな彼の恐怖症も大変だったんだけど、僕は彼とあまり仲が良くなかった。その理由は、彼がいない人の悪口をあっちこっちで言うタイプだったからだ。
それでもクラスメートはうまく彼と仲良くやってるんだな、自分は大人じゃないんだなと中学時代過ごしていたが、大人になってクラス会をやったときに、「あいつはみんなから嫌われていた」という話を聞いて、みんな怖いな・・・と恐怖を覚えたことがあった。うむ、オチがつくかと思ったけどつかなかった。