吉田君のどもり
学生時代にどもりを持った子がいた。吉田君という男の子で、だからと言って発言に自信がないとか勉強ができないとかはまったくなく、割と堂々としていて授業中なども先生に普通に質問をするような積極的な子でもあった。
どもりをいじられるようなこともまったくなかったし、小学生だった僕自身もそれを気にしたこともなかったけど、吉田君の中ではどうだったのかは分からない。でも、色々と表に出て発言しようとする子ではあったし、人間関係も消極的な子ではなかったから、それで内側にこもってしまうタイプではなかったのだと思う。
性格も基本的には明るくて、どちらかというと人にイジられるタイプだったとは思うけど、嫌なことははっきり嫌と言える子だったから、いじめになるようなことはまったくなかったし、逆にその子がいるおかげで和むような雰囲気になっていた。
彼の家に何度か遊びに言ったことがあるけど、お母さんはとても優しくて品があり頭の良さそうな方で、表面的にはなにか問題があるようには見えなかった。もちそん実際にはどういう感じかは分からないけど、友達が来ても丁寧に迎え入れてくれるお母さんだったので、問題はなかったと信じたい。
彼のどもりや吃音症の原因がなんだったのか、今考えても分からないことでもあるけど、長男だったこともあり親が神経質に育ててしまったとか、何かしらのプレッシャーが掛かっていてどうしても吃音が習慣になってしまったとか、色々と考えてみたけど、やっぱり分からない物は分からないんだな、と痛感してしまった。元気にしてるかな。